コロナ禍の中で住民投票をするのか！

長崎　由美子　(大阪府連合代表)

大阪府のコロナ感染者の数は８月３日で4527人となり、７月２９日には２２１人の過去最多の感染者となった。４月自粛期間以降の第二波コロナ禍に、市民は疲弊している。客足が戻りつつあった飲食店も、旅行業も減少し、イベントなどの中止が相次ぎ、また開催できても入場制限などで演劇など採算が取れない。６月まで辛うじて持ちこたえた店や、企業が倒産していくのも増えた。

頼みの綱である行政からの支援は、大阪市独自のコロナ支援はほぼ無しである。吉村知事の大阪モデルとぶち上げテレビ出演はするが、ＰＣＲ検査数は７２６６１件とまだまだ少なく、自粛を呼びかけるとセットの休業補償は第二波では予定されていない。医療機関はコロナによる減収と、コロナ対応により疲弊している。この中で大阪市が１４００億円の内部調整基金を抱えながら、苦境の企業や店、個人への支援をしていない。

集会も自粛のなかで、大阪市を解体し、大阪府に吸収させる「大阪都構想」を進める住民投票を１１月１日に行おうとしている。そのために内部調整基金を抱え込んだままである。コロナ禍の中、日頃からギリギリの生活をし、数か月収入がなければ住居を失い路上に出る人が増え続けている。安倍政権が進めてきた格差と貧困が浮き彫りになった。住民の命と暮らしを守るのが地方自治体の役割である。大阪市を解体する住民投票は直ちに中止し、コロナ禍から市民の命を守ることに全力を尽くすべきである。

(2020年8月)